“Build atoms”パレット(図2.2.1)は、アミノ酸残基ごと、あるいは原子ごとに修正を行えるプログラムが表示されている。
ここでは各プログラムの説明の前に、パレット上で行う修正結果の保存方法について説明する。
“Build atoms”パレット(図2.2.1)は、アミノ酸残基ごと、あるいは原子ごとに修正を行えるプログラムが表示されている。
ここでは各プログラムの説明の前に、パレット上で行う修正結果の保存方法について説明する。
“Accept/Quit”パレット(図2.2.2)
Acceptした結果に問題がなければ、次の「Save changes」で保存。
“Save changes”
“Undo last fit”
なお、“Save changes”は、X-Build実行中の結果を保存している状態。 |
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“Refine 1 residue” アミノ酸1残基を電子密度にフィッティングする。
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![]() (図2.2.3) “Refine 1 residue”の結果・メッセージライン |
“Geometric conformation” 側鎖のコンフォメーションを、統計的な存在確率に従って修正。 側鎖の電子密度が曖昧な場合に参考になる。
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![]() (図2.2.4) “Geometric conformation”の結果および “Geometry”パレット |
“Fit side chain by RSR” 側鎖を自動的に電子密度にフィットさせる。 *チェックした原子から先が修正される。
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![]() (図2.2.5) “Fit side chain by RSR”による側鎖の修正 |
“Fit main chain by RSR” 主鎖(ペプチド結合)を自動的に電子密度にフィットさせる。
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![]() (図2.2.6) “Fit main chain by RSR”による主鎖の修正 |
“Move atom + RSR” 主鎖を手動し側鎖をフィットさせる。
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![]() (図2.2.7) “Move atom + RSR”による修正 |
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(図2.2.8) “Edit backbone tor”による主鎖の修正 (a) 修正前構造と修正後構造(白表示)。 (b) 修正前のRamachandramプロット。 (c) 修正後のRamachandramプロット。 紫丸:番号の若いアミノ酸残基の二面角 黄色:次のアミノ酸残基の二面角 |
“Edit chi angle” 側鎖の結合角を修正する。
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![]() (図2.2.9) “Edit chi angle”による側鎖の修正 |
“Move atom” 一原子を手動する。
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![]() (図2.2.10) “Move atom”による原子の移動 |
“Move zone” アミノ酸残基を一つ〜複数、構造を維持したまま手動する。
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![]() (図2.2.11) “Move zone”によるアミノ酸残基の移動 |
“Move atom”および“Move zone”は手動で構造を修正するため、立体化学的なパラメーターに問題が生じてる可能性が高い。
これらを実行した場合は、後述の“Regularize”を実行する。
“Model terminal res.” 末端構造を修正する。
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![]() (図2.2.12) “Model terminal res.」の実行 |
“Flip torsion 180 deg.” 選択した結合面を180°回転させる。
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![]() (図2.2.13) “Flip torsion 180 deg.”の実行 |
“Mutante residue” アミノ酸残基を置換する。
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![]() (図2.2.14) “Specific” |
“Add–delete”
アミノ酸残基や結合部の付加、消去を行う。
パレット(図2.2.15)に表示されたうち、主な機能および操作手順は、以下の通り。
“Delete bond” 結合部の消去 |
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![]() (図2.2.15) “Add-delete” |
“Create bond” 結合の追加 |
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“Delete residue” アミノ酸残基の消去 |
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“Add res at terminal” 末端へのアミノ酸残基の追加 |
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“Hydrogen bonds”
水素結合を白破線で表示。
*再クリックで表示が消える。
“Move atom + reg. res.” アミノ酸を構成する原子の座標を調整する。
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![]() (図2.2.16) “Move atom + reg. res.”の実行 |
“Move atom + reg. res.”および次の“Move atom + reg. zone”では、手動する原子の動きに合わせ、モデルが立体科学的に矛盾のない様に調整される。
この際、構造に問題がなければ候補構造は緑で表示(図2.2.16)、問題がある構造は黄〜赤で表示される(図2.2.17)。
“Move atom + reg. zone” 特定の範囲を構成する原子の座標を調整する。
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![]() (図2.2.17) “Move atom + reg. zone”の実行 |
“Regularize” 立体化学的パラメーターを強制的に修正する。
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![]() (図2.2.18) “Regularize”の実行 |
“Regularize”は構造的に矛盾のないモデルへの修正を行う上で有効だが、プログラムの性質上、修正結果が電子密度に一致しない場合もある。 その様な場合、次の“... fix atoms”により、主要な原子(電子密度に良く一致するなど)を固定してから実行すると、よい結果が得られることがある。
“... fix atoms” 任意の原子を固定する。 “Move atom + reg. res(zone).”や“Regularize”時に併用すると便利。
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![]() (図2.2.19) “Fix atoms”の実行 |
以上のプログラムをどの様なケースで用いるかは、ある程度のなれを必要であると思われる。
大雑把な使用例に関しては、「“Build Atoms”各プログラムについて」を参考のこと。